前体制の遺物との決別。サンフレッチェを覚醒させた「個の破壊力」と「連動の美学」 J1特別大会 地域リーグラウンド 第18節 vs. 名古屋グランパス

2026年5月23日土曜日

Soccer

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ピースウィングで行われた名古屋グランパス戦は4-2で見事快勝しました。


前節に続く2試合連続の4得点という爆発力は、一見すれば文句のつけようがない快勝です。しかし、その歓喜の裏には、今後の命運を左右する致命的な戦術的欠陥と、目を背けてはならない個人のクオリティ不足が凝縮されていました。


試合を振り返ると、改めてサンフレッチェの成長を感じさせる試合。

かつてのサンフレッチェは、セットプレー以外にゴールの匂いが全くしない、硬直化した退屈なチームでした。

しかし今日のピッチで示されたのは、ミヒャエル・スキッベ前監督が遺した「悪しき呪縛」を完全に払拭し、愚直なまでに戦術的な意図を積み上げてきた成果そのもの。

1点目のシーンは前節同様、完全に個の力で相手の守備網をこじ開けました。理屈抜きで局面を打開できる絶対的な個の君臨は、今のチームの最大の強みというしかありません。

2点目はこれこそが新生サンフレッチェの真骨頂。意思統一された緻密なパスワークで名古屋の組織を完全に崩しきり、最後は川辺が完璧なフィニッシュ精度を見せてくれました。

3点目は中野の圧巻のミドルシュートという「個の煌めき」で仕留めましたが、そこに至るまでのビルドアップの質、そして局面でのインテンシティ(強度)は、チームとしての明確な成長を物語っていました。

4点目はカウンターから中村の爆発的な推進力でキャリーし、オーバーラップした東の精密なクロス、そして鈴木の「神トラップ」からの一撃。ディフレクションこそあったものの、鈴木が持つ本来の異次元のポテンシャルが完全に覚醒した瞬間。

サンフレッチェに足りていない個の力とコンビネーションが光った素晴らしい試合となりました。

流れの中からこれほど意図的、かつ多彩なパターンでネットを揺らせるチームへと変貌を遂げたことは、ここ数シーズンでは考えられなかったことです。

選手個々の血のにじむような努力と、戦術のアップデートは見事というほかない。


悪いところと言えば守備面。

2失点したこと自体はしょうがないことですが、4−1になった後の防戦一方ぶりには少し危機感を覚えました。

ただ引いて身を縮めるだけの「無能な防戦一方」に陥った時間帯は、大いなる危機感を抱かせるに十分な醜態でした。

その元凶は、ボランチに入った松本のクオリティ不足にある。彼の投入によってチームが被った負の影響は計り知れません。

なぜここまで、ボランチとして「論外」のパフォーマンスに終始する選手を起用し続けなければならないのか。新井がボランチの位置でいかにハイレベルで傑出したタスクをこなしていたかが、松本の拙守によって逆説的に証明される形となりました。

久保会長への忖度や「起用義務」といったクラブの歪な力学がガウル監督に働いていると勘ぐられても仕方のないレベルであり、クラブはボランチというポジションの重要性を猛省し、いい加減に認識を改めるべきです。

さらに、問題は松本だけではなく、ドリブラーに対するチームとしての対応の拙さは、相変わらず深刻です。

 特に中野は、名古屋の左WB中山に完全に「格付け」され、文字通り舐められっぱなしの無残な醜態を晒しました。

中山がスピード、アジリティ、テクニックを兼ね備えた一級品のタスクフォースであることは事実ですが、あれほどまでにやりたい放題を許した中野の守備対応の引き出しの少なさ、軽さには絶望すら覚えほどで、彼の対人守備における成長の遅さは残念でなりません。


本日の試合を以て地域リーグのラウンドは全日程を終了し、最終順位は明日のセレッソ大阪の結果次第(セレッソが90分勝ちなら5位、それ以外なら3位)となりました。

何度も言っているようにこの特別リーグの順位なんて何の意味もなく、正直言って何位で終えようがどうでもいいと思っています。

本質的な価値は、シーズン途中の「中途半端なスキッベサッカーの残滓」という名のクソサッカーから脱却し、戦術的に洗練された、意思統一の図られたフットボールへと昇華させた点にあります。

しかしながら、その完成度は未だ荒削りで雑な部分が目立ち、特に現行の「3バック」および「両WB」の機能不全は今日も目に余ります。もはやフォーメーションの根本的な変更すら視野に入れるべき段階に来ていると思います。

そして守備強度と展開力を兼ね備えた絶対的軸のボランチの補強、前線でターゲットとなり、個でゴールを陥れられるストライカー。

3バックを継続するならば必須で単独でボールを運び、縦に仕掛けて相手を破壊できる突破力を持つタスクフォースでなければなりません。

極論を言えば、WBがまともにボールを運んでドリブルで仕掛けられるクオリティさえ担保できれば、前線の補強など不要とすら言えます。

それほどまでに現在のWBの質の低さは致命的であり、補強は一刻を争う急務。

来シーズン、真にタイトルを狙える強権へと脱皮するためには、フロントによる徹底的な市場での補強(血の入れ替え)が絶対条件です。


来シーズンに向けて色々言いたいことはありますが、とりあえずプレーオフラウンドでどのチームとの対戦になるのか楽しみですね。



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